枝の切除に関する民法改正
相談内容隣の家は長い間空き家になっていて植木等も全く手入れがされていないため、境界付近の
木の枝は境界を越えて伸びてきて、私の土地の利用上も大きな支障が出るようになってき
ました。境界を越えている部分の枝等は私の方で切ってもよいでしょうか。
解答現在の民法の規定では、隣の家の木の根が境界を越えて伸びてきたら勝手に切っても良いことに
なっていますが、枝は勝手に切ることは認められず、木の所有者に枝を切るよう求めることがで
きるのみです。枝を切るよう求めても応じてもらえない場合は裁判が必要になりますが、誰が木
の所有者かを調べるのも困難が予想されます。
2021年の民法改正では、一定の場合には越境してきた枝を自ら切ることが認められる特則が
追加されました。
一定の場合とは、
①木の所有者に枝を切るよう催告したにもかかわらず相当の期間内に切らないとき
②木の所有者を知ることができず又はその所在を知ることができないとき
③急迫の事情があるときです。
なお改正法が適用されるようになるのは2023年4月頃の予定です。
※回答者弁護士 佐藤 豊(2021.9)