【社会保険の被扶養者】
相談内容京都にいる大学院生の息子(30歳)が結婚することになり、近く子供が生まれる。息子に仕送りしている額を今後さらに増やして生活を支えていくが、別居した状態でこの息子夫婦と孫の3人を、父親である自分の社会保険の被扶養者とすることができるか。
解答被保険者からの仕送りによって3人の生活が維持されていれば、同一世帯でなくとも被扶養者になれる。被扶養者となる者がアルバイト等で収入がある場合は、130万円未満で、被保険者の収入の半分未満であることが必要条件となる。
【被扶養者】
○組合健康保険・全国健康保険協会管掌健康保険・船員保険・共済組合など、勤め先での健康保険の被保険者本人と生計と一にする家族などを「被扶養者」とい い、健康保険法ではこの被扶養者の疾病、負傷、死亡または出産に関しても保険給付を行うこととしている。被扶養者の申請手続きは、会社が全国健康保険協会 や健康保険組合等の保険者を通じて行う。
【被扶養者の範囲】
●主として被保険者に生計を維持されている人で
①被保険者の直系尊属(親・祖父母・曽祖父母)
②配偶者(内縁関係も含む)
③子、孫および弟妹
●被保険者と同居し、かつ被保険者に生計を維持されている人で
④被保険者の三親等内の親族(兄姉、伯父伯母、甥姪等)
⑤被保険者の内縁の配偶者の父母および子
なお、「主として生計を維持されている」とは、被保険者の収入により生活をしていることを言い、必ずしも被保険者と同居でなくても良い。また、兄や姉は同居が条件で、弟や妹は別居でも可能なことに注意。
【被扶養者となる年収額の範囲】
●会社などの健康保険の被保険者となっている人と生計を一にする家族のうち、労働日数・労働時間が通労働者の4分の3未満で、なおかつ年収の範囲が次の範囲であれば被扶養者となる。
同居・・・年収130万円未満でかつ被保険者の年収の半分未満であるとき。
別居・・・年収130万円未満で被保険者からの援助額より低いとき(60歳以上の方、障害状 態にある方は180万円未満)。
サラリーマンの妻などで、夫の被扶養者になるには、パートタイマーなどによる年収が130 万円未満まで。年収130万円以上となった場合は本人が被保険者となり社会保険料を負担。
なお、年収130万円未満とは、社会保険の被扶養者になれる範囲の年収で、配偶者の所得税
控除対象範囲(103万円以下)とは異なるので注意を。
特定社会保険労務士 山口正人