雇用保険の受給資格
相談内容会社の経営状況が悪く辞めさせられそうだ。44歳で勤続10ヶ月しか経っていないが、もしもの時に雇用保険の失業給付金はどの位もらえるか。
同僚に聞いたら、雇用保険加入期間が最低6ケ月あれば失業給付が受けられたが、少し前に改定され、12ケ月なければ受けられないと言う。だけど、退職の理由によっては6ケ月で受けられるとも聞いた。
同僚は45歳で勤続11年だという。
解雇又は事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職であれば特定受給資格者に該当し、受給資格は離職日以前の1年間で被保険者期間(11日以上労働日のある月。以下同)が6ケ月以上あれば良く、給付制限もない。
被保険者期間が1年未満の場合は年齢に関係なく給付日数は90日。
なお、同僚の方の場合は、45歳以上60歳未満で被保険者期間が10年以上20年未満に該当し、給付日数は270日となる。
「雇用保険の受給資格」
被保険者が失業した場合、受給資格は原則として「離職の日以前2年間の被保険者期間が通算して12ケ月以上」あることが必要(H19年10月1日改定)。
但し、特定受給資格者と特定理由資格者に該当する者は、「離職日以前の1年間で被保険者期間が6ケ月以上」あれば給付制限なく支給される。
[一般の離職者]
①契約期間3年未満で契約期間満了による退職、②定年、移籍出向による退職、③被保険者期間12ケ月以上での正当な理由のある自己都合退職、④正当な理由 のない自己都合退職(転職希望、一身上の都合など)、⑤被保険者の責めに帰すべき重大な理由による解雇。(*④と⑤の該当者は3ケ月間、基本手当の給付制 限がある)。
「特定受給資格者」
一般の離職者の内、被保険者に責めのない特定の離職理由(①解雇による離職、②天災その他やむを得ない理由により事業の継続が不可能になったことによる解 雇による離職、③契約期間満了による雇止め、④事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職、⑤事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合 退職)に該当する者を特定受給資格者といい、受給資格が「離職の日以前の1年間で被保険者期間が6ケ月以上」と緩和されている。
「特定理由資格者」
更に、H21年4月1日から①契約期間3年未満で、契約満了時に労働者が契約更新の希望をしたにも関わらず更新されないことによる退職、②被保険者期間6 ケ月以上で、正当な理由のある自己都合退職の場合、新たに「特定理由資格者」という区分が追加された。受給資格は特定受給者資格に同じ。
「給付日数」
給付日数は左表の通り、一般と特定では大きな違いがある。一般の受給資格者は年齢に関係なく被保険者期間で90日から150日までとなっているが、特定受給資格者と特定理由資格者は年齢と被保険者期間によって90日から最高330日まで定められている。
なお、自己都合退職であっても、そのきっかけが体力の不足、疾病や家庭事情の急変によるもの等正当な理由が認められると特定理由資格者に該当する場合もあるので窓口で相談を。
特定社会保険労務士 山口正人