遺言特集【自分の葬式】
相談内容自分の葬式はなるべく簡素にやってもらいたいと考えているのですが、遺言にしておけば子供達に守ってもらえるでしょうか?
解答遺言をした場合に法的な効力をもつ事項は民法で定められており、それ以外の事項について遺言の中に書き込んだとしても、法的な効力を持ちません。葬式を どのような方法で行うかは、遺言できる事項として挙げられていませんので、遺言の中に書き込んでも、その方法で葬式を行うことを遺族に強制することはでき ません。もっとも、遺言者の最後の意思をできるかぎり尊重することが望ましいとの考えは一般に共有されているといえますから、遺族が遺志に沿った葬式を自 発的に行ってくれることを期待して遺言の中に書き込むのであれば、事実的な意味はあるといえるでしょう。
遺言にした場合に法的な効力を持つのは、相続に関する事項が中心になります。これには、推定相続人の廃除と廃除の取消し、祭祀主宰者の指定、相続分の指 定、特別受益の持戻しの免除、遺産分割の方法の指定及び分割及び分割禁止、遺産分割における担保責任、包括遺贈及び特定遺贈、遺言執行者の指定、遺贈の減 殺方法があります。相続外の事項としては、認知、未成年後見人の指定、未成年後見監督人の指定があります。
弁護士 田中 善助