母のカードを使った預金引出し
相談内容兄弟5人で交代して一人暮らしの母(90歳)の介助をしている。
最近になって、弟が勝手に母のカードを使って預金を引出し使っていることが判った。銀行で調べた「預金取引明細表」をみると、凡そ5万円を週1~2回ATMで引出し、総額850万円にもなる。
遺産相続の時には弟の相続分から差引くことはできるか。
弟は母に頼まれ母のために使ったというが母は否定しており、弟の行為の立証はどのようにしたらよいか。
基本的には相続の問題と言うより母親の預金管理の問題であり、母に頼まれ母のために使われた金かどうかの問題。
母親の判断能力に問題がなければ頼んでいないと言っている事実が重要だが、金額が異常に多額であることから、弟に具体的な使途の説明を求める必要もある。
弟が勝手に使用してしまったのであれば、母親は弟にその金を返すよう請求できるので生存中に解決しておくほうが望ましいが、解決できないうちに母親が死亡 した場合は、弟に対する母親の返還請求権が遺産として相続されるので、これを弟が相続すれば相続分から差引いたのと同じ結果となる。
弁護士 佐藤 豊