高齢な母の相続
相談内容父は20年前に死亡。
法定相続人は母と子供4人姉妹の5人であった。義兄が全てを手配して、父の遺産全部を母が相続することにした。書類は記憶にない。
母は既に高齢であり、もし万が一の時、母の相続はどうなるのか。
不動産等について、相続により名義が母になっていれば、相談者の実印を押し、印鑑証明書を添付した遺産分割協議書が存在する。
母の相続は、4人の子供が4分の1ずつ相続となる。
遺言があれば、それに従う。
但し、子供には遺留分という保証分がある。
【遺留分減殺請求】
○遺留分とは、配偶者、子(又はその代襲相続人)、直系尊属である法定相続人の最低限度保証されている遺産に対する持分のこと。被相続人(亡くなった人)の兄弟姉妹には遺留分はない。
○遺留分が侵害されたとき(生前贈与・遺産遺贈・遺留分に反する遺言など)、自分の受け取る額が遺留分に達しないときは、受遺者や受贈者に遺留分減殺請求して不足分を取り戻すことができる。
○遺留分の帰属と割合
兄弟姉妹以外の相続人の遺留分は、①直系尊属のみが相続人である場合=被相続人の財産の3分の1、②それ以外の場合=被相続人財産の2分の1の割合相当額。
○遺留分減殺請求権の期間制限
遺留分権利者が、相続の開始及び減殺すべき贈与又は遺贈があったことを知った時から1年間、相続開始の時から10年で時効消滅する。
○時効があるため、遺留分侵害者に対して遺留分減殺請求書は「内容証明郵便」で送るのが望ましい。
弁護士 佐藤 豊