離婚の調停申立先と訴訟提訴先
相談内容結婚して15年。長野市に住んでいたが、3年前から夫婦喧嘩が絶えず、妻は1年前に子どもを連れて秋田市の実家に戻ってしまった。以来、別居生活が続いている。
このままでは仕方なく離婚を決意したが、妻と話し合うにも電話や手紙では離婚の話がまとまらない。
協議離婚ができない場合、どこでどのように手続を進めればよいのか。
協議離婚が成立しない場合、まず家庭裁判所に調停の申立をする。
現在、相談者は長野市に、妻は秋田市に住んでいるので、どこの家庭裁判所に調停の申立をするのかが問題となる。
調停は、相手方の住所地の家庭裁判所に管轄がある(家事審判規則129条)ので、秋田市を管轄する家庭裁判所に申立をすることになる。他に、当事者が合意で定める裁判所にも管轄が認められているが、対立している当事者の間で、この合意ができることは難しい。
なお調停が成立しなかった場合の訴訟については、相談者が住む長野市を管轄する家庭裁判所に訴えを起こすこともできる。
【夫婦関係調整調停(離婚)】
離婚調停の申立人は夫又は妻。必要書類は申立書1通、夫婦の戸籍謄本1通。費用は収入印紙1200円・連絡用郵便切手。
調停手続きでは、離婚そのものの他、離婚後の子どもの親権者、親権者とならない親と子の面接交渉(交流)や養育費、財産分与、年金分割、慰謝料など財産に関する問題も一緒に話し合うことができる。
離婚と共に年金分割の按分割合に関する調停を求める場合は、「年金分割のための情報通知書」が必要。
問合せは、年金事務所(旧社会保険事務所)・年金相談センター、又は各共済年金制度の窓口へ。
弁護士 佐藤 豊