離婚に応じてくれない外国籍の夫
相談内容夫はイギリス籍である。離婚したいが、離婚に応じてくれない。どうしたら良いか。
夫に金を貸してあるが、そのことを書面に書いた方が良いか。
夫が外国籍であっても、一方の当事者が日本人で、且つ日本に常居所(生活の本拠地)を有する場合、離婚は日本法による(法の適用に関する通則法第27条)。
従って、日本民法により、相手方が協議離婚に応じない場合は、家裁に調停の申立を行い、調停が成立しない場合は家裁に離婚の訴を提訴する(審判離婚・裁判離婚)。
貸借を書面化することは、合意が成立したことを示し、その内容を明確にするものであり、望ましい。
しかし、その書面では強制執行することはできず、裁判をすることになる。
【国際離婚】
日本の場合、離婚の約90%が協議離婚。しかし、協議離婚を認めてない国や、裁判によってでないと離婚できない国、また離婚自体を認めていない国もある。
また、子供の国籍問題に絡んだ難しい問題も発生する。
国際結婚をする時、結婚に伴う手続きを調べるのと同時に、離婚に伴う双方の国の手続きについても調べて知識を持っていると良い。
弁護士 田中善助