夫の借金、離婚したらどうなるか?
相談内容夫が「サラ金」から借入を繰返し、借金が絶えないので離婚を決意している。
夫の借入について私の保証はないが、実父は夫の勤務先の債務の保証人になっている。
また、父は以前、夫のサラ金返済のため100万円を支援し、夫の車購入時にも30万円を支払った。
離婚した場合、夫の借金について妻である私への影響はあるか。また、父が夫のために出したお金はどうなるか。
夫への保証人になっていない限り、離婚により妻が影響を受けることは一切ない。
なお、離婚する際に双方あるいは一方に条件がある場合は、キチンと協議(当事者間の協議又は調停)をすることが肝要。
父親の夫に対する債務保証は、父親に代わる保証人を立てない限り、娘の離婚という理由だけで保証を解除してもらうことは困難と思われるが、その前に会社よりキチンとした情報を入手する必要がある。
また、父親のサラ金への肩代わりや、車購入に対する父親の資金援助は、借用書がない場合は、相手から贈与を受けたとの主張もされかねないし、夫の経済状態からすると事実上返済は難しいと思われる。
離婚協議の条件の一つとして、分割返済とするとか、車を引き取るという方法は考えられる。
【親族間のお金の貸し借り】
サラ金は、本人の自覚がない限り周りの人が肩代わりして返済しても、また繰り返す。結局、無駄金になってしまう。
また、家族間の資金援助も、本人は貸したつもりでも「一筆」がないことが多く、返済を法的に請求できないケースが多い。
お金の貸し借りは、「親子も夫婦も他人」という意識を持つことが大切です。
司法書士 北川哲男