【不倫の慰謝料】 夫の不倫相手に要求する慰謝料の額
相談内容5年前に結婚し夫と2人暮らし。最近、夫が半年前から独身の若い女性と付き合っていたことが判明した。
相手の女性に会って謝罪と慰謝料320万円の支払いを求めた。その後、相手は公正証書にして残すこと、要求額を支払うことを約束し、夫とも別れた。
実家の両親は、相手が若いので収入が少ないだろうに慰謝料が高すぎて払えるのかと逆に心配しているが、妥当な額とはどの位なのか。
不貞行為の相手に対する慰藉料額は、交際期間、それが原因で夫婦が離婚に至ったか等の事情により異なり、一般的に妥当な額といえるものはないが320万円はかなり高額といえる。
しかし要求を入れて支払の約束をすると、強迫された等の特別の理由がない限り約束の結果として支払義務が生じる。
不当な要求と思われるときは約束の前に専門家に相談することが重要。
【不貞行為の慰藉料】
●浮気による精神的、肉体的苦痛に対する賠償として、不貞の相手方に対して妻から慰謝料を請求することができる。
額は、交際期間や年収によるが、示談になると50~200万円位が多い。
これは、自己の地位や相手方の弱点を利用するなど、悪質な手段を用いて相手方の意思を拘束したような場合でない限り、「不貞あるいは婚姻破綻についての主 たる責任は不貞を働いた配偶者にあり、不貞の相手方の責任は副次的なものとみるべきという考え」もあるため、配偶者に対する慰謝料より低額である。
●不法行為による損害賠償請求権の期間の制限
この損害賠償請求権は、被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは時効によって消滅する。
不法行為の時から二十年を経過した時も、同様とする(民法第724条)と定められているため時効に注意を。
弁護士 佐藤 豊